∞の愛

∞の愛
2010年に制作した「∞の愛」(←クリックすると作品ページへ飛びます。)
この作品は、世界中の人々の魂(心)を表現しています。
私達、人間は生まれたばかりの頃は、みな純粋な心を持った赤ん坊です。
生まれた時代や国、家族、出会う人々と関わっていくうえで、様々な経験をし、自分を作り上げていきます。喜んだり、悲しんだり、怒ったり、色々な感情を味わっていきます。きっとこの経験が多い人ほど、感情豊かであり、沢山成長していくのだなと思っています。

また、私達人間は、愚かな生き物です。生まれたころは純粋だったのに、成長するとともに、自尊心を守るためか、人を差別や偏見なまなざしでみたり、接してしまいます。
程度の差こそあれ、大きな差別から小さな差別まで、全く差別をしたことのない人の方が少ないのではないでしょうか。
例えばオリンピックになると、私ももちろん日本を応援します。でもどこか頭の片隅で何か違うよね。。。と思ってしまいます。みんな頑張っているじゃない。日本だから応援するって違うよねと。
外見や学歴で優遇されることだって沢山あります。最近のメディアをみていると、その傾向がすごく強くなっていっているようで恐ろしいです。勝ち組負け組という言葉は本当に抹消してほしいです。その結果、私は劣っているからと劣等感をもつ人が生まれてきてしまいます。劣等感を持つ人が弱いからと言ってしまえばそれまでですが、そんなに強い人間だらけではないのです。
私も人のことは言えないし、こんなこと言い始めたらきりがないので、これ以上はやめておきます。。。

そんなことを考えているときに、生まれたのがこの作品です。
『∞の愛』この赤いハートは人の魂(心)を表しています。ハートには目が描かれていますが、目の大きさや瞳の色など様々です。これは世界中の人々を表しています。外見像を外し、人の魂(心)だけを描くことで、差別や偏見から抜け出した世界を表現したかったのです。
また人間ってどこか一つにむかっているのでは?その目的を果たすために、色々な経験をしているのかなと感じていたので、どのハートも中心にむかっていって描きました。

2010年に制作したものですが、2001年アメリカ同時多発テロが起き以来、私の中で少しづつ、少しづつ、世の中のおかしさに気づいていったのでしょう。

私は、意識的につくる作品と無意識(心の自分に従う)的につくる作品があります。
この作品は後者にあたります。

今私は、人はなぜ生きるのかということを考えるようになりましたが、20年近く前の自分のつくった作品を改めてみてみると、今のようにあえて意識をしていなくても、人間のむかっていくところは同じで、無意識では理解できているのだなと気づきました。

[ ∞の愛 ]作品2019/11/07 17:14