東京藝術大学スーパークローン文化財展

東京藝術大学スーパークローン文化財展 法隆寺からシルクロードの文化財までを観に行きました。
東京藝術大学で開発された高精度な文化財複製による展覧会です。
アフガニスタンのバーミヤン東大仏天井壁画、法隆寺の金堂壁画など世界の修復された文化財の複製が展示してあります。
観に行かないといけないなと思っていた展覧会です。というのは、私が大学院生の頃にこの企画は始まっていて少し関わりがありました。

2001年タリバン政権(当時)によるバーミヤンの大仏の破壊などをきっかけに、
世界中の文化財の流出が続き、その惨状に心を痛めた、平山郁夫先生がアフガニスタンから流出した文化財を保護し、必要な場合は修復もし、「流出文化財保護日本委員会」にて管理もしていました。そして私が大学院生(2004年)だったとき、10名ほどアフガニスタンから学生と先生が技法材料研究室に短期留学をしにきました。その時、アフガニスタンの人達と平山郁夫先生の家へ行き、破壊されたバーミヤンの遺跡をみにいきました。沢山の遺跡の破片が保管されていたのを憶えています。アフガニスタンの人達が文化財が破壊されてしまったことをとても悲しんでいました。また戦争や政治の複雑な思いも聞きました。
また、日本がこうやって破壊された遺跡を大事に保管して修復してくれていることをとても喜んでいたのを憶えています。
私は直接プロジェクトに関わっていたわけではありませんが、その頃から戦争が遠い国のことではなく、同じ地球上で今も起こっているということを強く思うようになりました。特に、文化が破壊されることによって人の心にどれだけの影響があるのかということを考えるきっかけにもなりました。

復習ではなく、世界中の人が助け合っていくことで、傷ついた人たちの心が救われていきます。
2011年の東日本大震災のときに、アフガニスタンの当時研究室にきた学生が「明日香?大丈夫?」と心配してメールをくれました。とても嬉しかったのを憶えています。

最先端のデジタル技術と人の手の技術や感性を取り入れ、失われた文化がよみがえることは素晴らしいです。
もちろん、デジタル技術がなくても、守っていける文化もあります。

人が喜ぶことをすれば、自分もみんなも幸せになるので、一番の特効薬だと私は思っています(*´ω`*)

展覧会は、8月31日までです。https://geidai-clone2020.sogomuseum.jp/summary/

[ 東京藝術大学スーパークローン文化財展 ]展覧会,風と共に去りぬ2020/08/25 22:30